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ペット(犬の種類)
アイリッシュ・セター(Irish setter)


(写真:ウィキペディアフリー百科事典より)

濃い赤色の優美な被毛を翻しながら走る犬

原産国/アイルランド
体 高/オス65cm前後、メス60cm前後
体 重/オス26kg前後、メス23kg前後
被 毛/絹糸状の柔らかく滑らかな長毛。
毛 色/マホガニー・レッド、チェスナット・レッド


 アイルランドでつくられた鳥獣用の狩猟犬です。その歴史は15世紀までさかのぼり、ヨーロッパ大陸の様々なスパニエル、ポインター、テリアなどを交配させてつくりあげられたと考えられています。それ以降も、イングリッシュ・セターやゴードン・セターとの交流によって体型や被毛に一層の美しさを得たといわれています。
 19世紀に入って、それまでの雑多であった毛色の中から濃い赤褐色(マホガニー・レッド)や濃い栗赤色(チェスナット・レッド)の犬が誕生します。これらの鮮やかな被毛は人々の注目を集め、ついにはこの毛色の犬だけがイングリッシュ・セターとして一犬種になりました。レッド・セターという別称もあります。当時より多くいた白地に赤の配色の犬は、別にアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターという名で呼ばれています。
 犬種名のセターとは、狩猟時、嗅覚で獲物の位置を知ると“伏せの姿勢(セット)”をとることからきています。セッターと呼ぶ人もいます。なお、最近の狩猟でのセターは、伏せるかわりに獲物の方向に顔を向けて静止することで主人に教えます。
 体格は被毛で隠されていますが、バランスのとれたりっぱな骨格を持ち、筋肉質です。頭部は長く、ほっそりしています。耳は薄くて長く、頭部後方の低い位置についていて、頬にぴったりくっついて首下あたりまで垂れます。尾は中程度の長さで、背のラインと水平に真直ぐ伸びる特徴があります。
 被毛の美しさは特筆ものです。走り回るのにじゃまにならないくらいの長毛で、まっすぐな絹糸状。耳の上部、前胸、腹部、尾の下面、四肢の後方には飾り毛がみられます。毛色はすでに述べたとおりですが、胸やのど、四肢の先などにホワイトの斑点がみられることもあります。
 実に優美な姿をしていますが、性格は明朗で活発、遊びが好きです。むしろいたずら好きといったほうがよいかもしれません。その延長線で子供と遊ぶ姿は、飼ってよかったと思う瞬間です。
 もっとも欠点もあります。ほかの犬に比べてかなり感受性が強いのです。大型の犬によくみられる物事に動じない性格は、この犬にかぎってはまったくないといってよいでしょう。飼い主が少しでも邪険にする素振を見せたり、十分に運動させなかったりすると、てきめんに癇癪を起します。命令を聞かずに興奮しだすのです。つまりは飼い主にひどい仕打ちをされたと感じ、不信感を抱くわけです。こうなるといたずらがひどくなります。かみつくことはあまりしませんが、むやみに吠えまくります。気まぐれな人や世話に手を抜く人には不向きな犬なのです。
 躾、訓練は欠かせません。物覚えはよいほうではありませんが、一度覚えたなら確実に実行します。狩猟で獲物を見つけても命令があるまでじっとしていたり、遠くへ落ちた獲物をたとえ水中の中からでもくわえて戻るのは、訓練の賜物です。足下の危い場所やイバラの中へも主人の命令が出されれば素直に突っ走ります。
 本来、広い場所で思い切って走らせてやりたい犬ですが、都会ではそうもいきません。それでも日々、自転車を利用してかなりの距離を早足で駆けさせてあげたい犬です。