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葬儀とは・・・

葬儀(そうぎ)、葬式(そうしき)は、死を弔うために行われる祭儀、葬制の一部である。

葬儀の概要

 葬儀の様式にはそれを行う人たちの死生観、宗教観が深く関っており、宗教の違いがそのまま葬式の様式の違いになる。また葬儀は故人のためだけでなく、残されたもののために行われるという意味合いも強くある。残された人々が人の死をいかに心の中で受け止め、位置付け、そして処理するか、これを行うための援助となる儀式が葬儀である。 その意味で葬儀は、宗教が文明に発生する以前の旧石器時代から行われてきていた宗教的行為であるといえる。ただし、日本の葬儀で連想される仏教との結びつきは、日本(アイヌや琉球を除く)独特のものであり、その他の仏教国では、僧侶は葬礼に直接関与しない。 中世前期に律僧や時衆が庶民の仏教典礼として促進したことにはじまり、定着をみたのは、寺請制度のできた江戸時代からと言われている。

葬儀の歴史

 現在、発見されている歴史上初めての葬儀跡と言われている物が、イラク北部にあるシャニダール洞窟で見つかっている。この洞窟の中には約6万年前と推定されるネアンデルタール人の骨が見つかっており、その周辺にはこの洞窟から見つかるはずの無い花粉が見つかったと報告されている。この事を死者を弔うために花を死体の周りに添えたと解釈している。

日本における葬儀の慣習

 通夜は古代の殯(もがり)に発している。告別式の前夜祭の形態をとる。誰かが寝ずの番をして(交代でもよい)、夜明けまで灯明や線香の火を絶やさないようにしなければならない(魔除けの意味がある)。近年では消防署などにより、式場では夜間の火は焚かないよう指導が入ることもあり、都市部の式場では夜通しではなく、半通夜と呼ばれる形態で夜は遺族が帰ってしまう場合もある。
 火葬場に向かう道と帰り道は同じ道を通らない。一本道で難しい場合であっても、可能な限り同じ道を通らないように努力しなければならない。埋葬した死霊が付いて来ない様にするためである。逆に同じ道を通らなければならないとする風習もある。
 葬儀終了後に「振り塩」と呼ばれる清めの塩を撒く(ただし、これは神道由来の慣習であって、死を穢れとみなさない仏教の教義に反すると考える意見もあり、元来これを行っていなかった浄土真宗を中心に、近年では行われないケースもある)。
 遺体を安置する場合には、遺体の胸の上に魔除けとして刃物を置く。これを守り刀と呼ぶ由来は武士の社会で、刀によって魔を斬るといった意味や魔物の使いとされていた猫が光り物を嫌がるので刀を置くことが魔よけとされた。遺体を安置すると、そこに供え物として枕飯、枕団子を供える。枕団子は米の粉(上新粉)などを丸めて作ったもので、数は地域によって差があり、六地蔵、六道から六個とする説と、13仏などからとった13個とする説がある。 なくなった日から一個ずつ増やして四十九日までお供えし、49個飾る地域もある。枕飯はご飯を御茶碗に山盛りにして、御箸をさして飾る。
 一般に告別式は友引の日を避けるが、これは俗に“友を(死に)引かない”よう配慮するためとされる。ただし、元来六曜は、仏教とは関係がない。賭け事、勝負事から入って来ており、友引とは「勝負事で友人と引き分ける」という意とされ、陰陽道との混淆に由来する。ゆえに友引の日に告別式を行わない風習は迷信と考えられる。火葬場は友引の日が休業日になっている所が多いが、友引でも休業日でない所も増えて来ている。
 墓地など埋葬する場所まで送ることを野辺送りということがある。
 三回まわしと言って、出棺する前に棺をその場で3回廻したり、建物を3回廻ったりして出棺する風習が一部地域で見ることがある。
 振り銭・振り餅、葬列時に花籠(竹の籠から割った竹を幾本も垂らし、紙の飾りをつけた物)に銭や餅を入れ落としながら葬列する風習もある。またざるから手で取って撒く場合は撒き銭・撒き餅などとも言う。
 なお、同じ日本でも琉球の信仰に基づく葬儀の風習はかなり特異であり、告別式の前に火葬を行うのが普通である。また東北地方、九州地方でも告別式の前に火葬を行うことが多い。

ペット葬儀の歴史

 ペットの供養自体は古くから行われており、例えば縄文時代の遺跡から犬の埋葬跡が発見された事例がある。これらは居住区の近くに土葬をするのが通常であった。また古代エジプトでは猫のミイラも発見されており、愛着のある・あるいは道具として役に立った動物を、丁寧に葬る習慣は世界各地で見出される。

 しかし現代におけるペットの家族化に伴い、ペットが亡くなった際に人間と同じように法事(葬儀、位牌、仏壇)、埋葬を望む人が増えている。この需要に伴いペットへの法事のサービス業態化や、ペット霊園の整備が行われるようになった。

 ペット霊園における埋葬では、人間の埋葬と同じように火葬、骨壺によ埋葬、49日等の法要を行うサービスが用意されていることが多い。欧米でもペット霊園への埋葬といった風習もみられ、こちらは土葬ではあるが、専用の棺や、あるいはエンバーミングすら見られる。

 なお、ペットではないが動物園でも亡くなった動物の供養するための慰霊祭は行われており、他にも屠場での食用家畜の供養や、保健所で保護期間を過ぎて処分された動物の霊を慰める供養が、定期的に行われている。

現在におけるペットの遺体の法的定義

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の2条の1、2により、『不要物として扱う場合』ペットの遺体は一般廃棄物と定義されている。従って、川や公園などにペットの遺体を埋めることは法律違反となる。
 しかし一方『埋葬』を目的を目的とする場合であれば、ペットの遺体の定義は宗教的に何らかの価値をもつ有価物とみなされ前記法律の対象外となる。この場合埋葬場所が問題となり自己所有地以外への埋葬は土地所有者の承諾を得ることが必要となり、その点から川や公園などへの埋葬は法律違反となる。


(wikipediaフリー百科事典より)